さとまも談義|テクノロジーと体験とアートと

テクノロジーとビジネスと人の関係性にずっと興味があります。アートやダイバーシティのキーワードも含めて、世界がどう変わっていくか、変えていけるかをお酒を飲みつつ考えるブログ

今週の気になる記事

ちょっと弊社関連ネタが多くて恐縮ではあるのですが、面白いなーと思ったので、共有まで。

◆「脳波や視線で家電を操作」、PhilipsAccentureがコンセプト実証用ソフトウエアを開発

http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20140822/372061/?SS=imgview_ndh&FD=-1471211293

昨今、Ice basketで話題を集めているALSにも役立つのではないかと考えられるテクノロジー。
こういった先端研究は、専門領域の有識者ではないと進められないところがあるのですが、僕もこういう領域をどこか確立しなくては…と最近よく考えます。

まずは、こういった事例については、経過も含めてウォッチし、他の業界や他用途で同じような適用ができないか…を考えていきたいと思います。

◆ 一足飛びの技術導入が加速、「リープフロッグ」とは何か

http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/idg/14/080400022/?ST=cio-consumerit&P=2

概念としては分かるのだが、理由の考察に関してはやや懐疑的です。
ファブレットが流行る理由が動画が見やすいから…というのは、一般的に考えればそうかもしれません。

一方で、新興国のインフラに鑑みるに、動画をリアルタイムでどんどん見るというのは、実際問題まだまだ先の話であり、現地の方々が本当にそういう理由で購入意欲を持っているのか…は個人的には疑問。
もちろん、スマホもPCも持っていなければ、ファブレットくらいの大きさのデバイスがちょうど良い…ということは往々にしてあると思い、その点については異論はないです。

結局の所、新興国が先進国と同じ流れを汲んで成長していくわけではない…という基本的な視点を踏まえると、こういったことは別に不思議でもなんでもなく。先進国が直面している"cutting -edge"を新興国も知り得る時代になっているわけです。インターネットの恩恵の一つですね。彼らとしても、情報さえあれば、一足飛びに最新のトレンドに乗ることも可能であり、しがらみがない分、躊躇がないという状況は生まれ得るでしょう。

◆ ◆ ◆

さて、今週は短いながらも夏休みを取る予定です。
初めてのシンガポール旅行。現地の知人や同じタイミングでシンガポールへ来ている日本の友人などともmeet upしつつ、基本的な観光所は押さえていきたいと思います。

初のビジネス出張 to China

意外かもしれませんが、社会人になって初めての海外出張が決まりました。…といっても、中国-大連なので近くではありますが。

前職も外資系企業だったのですが、こちらでも海外への出張の機会というのはかなり少なかったという印象。
特に、日本企業相手に直接ビジネスを実施するコンサルティング部門やSI部門は、クライアントが国外へ進出する際にサポートで付いていく以外は、ほとんど海外へ出かける理由がなかったりします。

外資系企業に入ると、バンバン海外へ出張するという印象をお持ちの方は、会社による…ということをご理解いただければ。どちらかというと、海外に子会社をたくさんもっているような日本企業のほうが、海外出張は多いと思います。

火曜の朝から、ニューヨークから訪問されるクライアント対応のため、前日入りしてプレゼンのリハーサルや、中国メンバと挨拶したりなど。今回、僕は日本側のコーディネイターという立場であるため、特に資料作りなどはないのですが、けっこう調整に時間を取られており、本業が圧迫されていたり。

なので、出張中も本業のコンサルティングワークに集中する必要があるな…と、多忙を覚悟して今週に臨む予定。明日は成田空港9時半発なので、5時起きで移動かな…頑張って早起きします。

中国のお土産等、まったく思いつかないのですが、もしお勧めをご存知の方はぜひお知らせください。

ブレーンストーミングは時間の無駄か?

SBI北尾さんのブログに触発され、僕もブレーンストミングについての個人的な見解を述べたいと思い、筆を執りました。
さて、皆さんは「ブレスト」について、どのようなイメージをお持ちでしょうか?

  • 色々な意見が出て、新しい事業・課題解決案が生まれた!
  • やってみたけど、アイディアが出なかった
  • ブレストしようと言われて集まったのだが、上司の独壇場で発言できなかった etc


世の中には、間違ったブレーンストミングが溢れています。また、いつも"正しい"ブレーンストミングが必要かといえば、そうでもなかったりします。僕がコンサルティングワークを進める際「ブレストしよう」と言うときには、2つの明確なパターンがあります。

  1. 多種多様な視点から、純粋にアプローチやアイディアを収集したい
  2. 参加者と一緒に考えたという一体感を醸成するために、ブレストという形態を取る


まず、一つ目から説明しましょう。これは社内のチーム内で実施することが多いのですが、いわゆる正統派ブレーンストミングです。お題目は主催者がきちっと考える必要がありますが、自由闊達に意見を述べ、発想を膨らませるのが目的です。自由、かつ大量に…という点が重要なので、声の大きな人に左右されないよう、最初はポストイットで各自の意見を書き出したりする等の工夫をします。難しいのは、テーマが広い場合にどのように収束させるか、という点。これはファシリテーターの力量により、かなり左右されます。逆説的に言えば、特定のテーマに絞り込めば込むほど、ファシリテートは楽になります。

2つ目。
これは、仕事柄というのもあるのですが、全員で意見を出し合ったことにより、合意形成を容易にするため、ブレーンストミングという形式を活用するパターンです。この場合、事前にチーム内でどうようのブレストを何度かトライアルしてみて、「何を落としどころとするか」を整理しておきます。ブレーンストミング自体では、オープンに意見は受け入れるものの、最終的には事前に想定したフレームワークや方向性に当てはめて、ファシリテーションを実施します。つまり、僕らにとっては多少の誤差はあれど、想定の結果を得ることになるわけです。「なんだ、しょうもないことをやっているな」と思う方もいらっしゃるでしょう。しかしながら、この手法は大きな威力を発揮することが多々あります。ぜひ、みなさんも試してみてください。

ちなみに、いずれの場合もブレーンストミングの基本ルールを守って進行することが最低限必要。こういうことも知らないで、えらそうにブレーンストミングだから自由に意見を言いたまえ、という上司にはならないように気をつけてください。参加者に対しても、とても失礼だと思います。
(参考)ブレーンストミングのルール

  • 判断・結論を出さない(結論厳禁)
  • 粗野な考えを歓迎する(自由奔放)
  • 量を重視する(質より量)
  • アイディアを結合し発展させる(結合改善)


あと、成功理にブレーンストミングを実施するには、「センスの良いテーマ」を定義することと、収束時に適切なフレームワークに落とし込めるかが大変重要です。ここは脳みそ勝負なので、主催者の方々はぜひ意識して頂きたいところ。いかに当日のファシリテーションが上手くても、もともとのテーマが曖昧だったり、ずれていたりするとブレーンストミングの効果は10分の1くらいになります。最後のフレームワーク化でもたつかないためにも、シャープなテーマを設定し、事前にある程度の構造を想定して把握しておくべきダと思います。

色々と書き綴ったものの、場数をこなすことも重要なので、みなさんもぜひ気軽にトライしてみて欲しいと思います。僕自身は決して時間の無駄とは思いませんので。

◆北尾さんブログ
http://www.sbi-com.jp/kitao_diary/archives/201406129121.html

Peer to Peerモデルサービスの拡大

ソフトウェアとインターネット、モバイルデバイスによるコネクティビティの爆発的向上により、既存の規制下では考えられないようなサービスが始まっています。

Airbnbは、昨今Facebookでも熱心に広告を出しているので、ご存じの方が多いのではないでしょうか?
このサービス要は賃貸契約書なしに、不動産の取引をしていると言っても良いでしょう。もちろん、各国の法規と照らしながらチューニングを進めているのだと思いますが。

こういったサービスは、今後もっとたくさん生まれてくると思います。下記の記事で述べられている視点は、今後僕らがコンサルティングを進める中でも意識しなければならない点でしょう。
一方で、こういったuncontrollableな側面の強いサービスを、いわゆる大企業が受け入れられるか、という部分も大きな焦点になってくると考えています。

そうなると、本業と切り離して進めるだとか、既存事業からの影響やプレッシャーを排除し、独立した小団体で試行していくのが基本的なストーリーなのかな、と。

◆The Future of the Sharing Economy Is a World Built Like Bitcoin
http://www.entrepreneur.com/article/234804

広告ビジネス次の10年

「広告マンの8割はいらない」という、一種衝撃的なコメントが目に付く当書籍。webのコラムか何かで見つけて、興味を持って購入しました。なぜ興味を持ったかというと、僕の組織上のミッションの一つにマーケティング業務のデジタル化も含んでいるからです。

デジタルマーケティングというと、ITを活用した新たな広告、webアドバタイジングというイメージを持つ人も多いかと思いますが、こういった領域が伝統的なテレビ・雑誌・新聞等のチャネルを浸食していくことで、マーケティングの組織的遂行形態や広告代理店の役割とポジショニングが変わってくることは間違いないと考えています。

今まで、広告主である企業は、広告代理店を通じて様々なマーケティングチャネルへの媒体提示を介して、売上向上やブランディングを進めていました。企業内で完結できるマーケティング企画ももちろんありましたが、ある程度の大規模な宣伝が必要なものは、代理店を通すという形態が一般的だったでしょう。
しかし、特にwebに関して言えば、google, yahoo等が圧倒的な優位を築き、伝統的な広告代理店がカバーできていなかった領域をカバーし始めています。リスティング広告SEO対策で電通さんに相談する企業は少ないでしょう。これは、製品やサービスという領域だけでなく、マーケティング自体もデジタル化による破壊(disrupt)の脅威に晒されているということだと考えます。

このような動きを見ていくと、ITの領域と同じような活動が必要になってくると思うんですよね。キーワードは、

  • コア・ノンコアの識別
  • ソーシング戦略
  • 戦略的パートナーシップ

つまり、IT領域でクラウドにするか、オンプレミスにするか、という議論と同様に、マーケティング領域においても、どこまでは外のサービスを活用するか、自前で一貫して管理・実行するか…企業毎に考える必要があると思うのです。
次はソーシングですね。外のサービスを使う場合でも、戦略や企画を自社で持つのか、そこからアウトソースするのか、オンプレミス的に持つ場合も効率を考慮した際に、本当にすべての工程を自社で担当すべきなのか、またはそのスキルはあるのか?
そして、顧客視点で最適化したサービスを組み上げるためには、個別の入札単位で仕事をするのではなく、戦略的に提携して弱点を補ってくれるパートナーの存在が必要不可欠です(全部自前であれば不要ですが、現実的には、特に日本では難しいでしょう)。

こういった、まさに僕が今までIT戦略・変革で取り組んできた論点をマーケティング分野でも、今後本格的に考えていかなければならない時代に来ているな、と何となしに考えていました。

ところが…ということを、何と当書籍でも述べて頂いているのです(笑)
今の僕の思考や問題意識と同じ視点で書かれているので、とても読みやすく、かつ親近感を覚えた一冊です。

また、本書の中でも、ITやコンサルティングファームが、今後業界へ参入してくるということが予想されています。この視点は鋭い。これからまさに参入しようとしていますし、業務プロセスを読み解く力、IT知見・実装力、地頭の良さ…などコンサルティングで培った組織的なケイパビリティを踏まえると、ノウハウがないからといって、広告代理店側も安寧としている場合ではないでしょう。何より、コンサルティングファームは、経営レベルのリレーションがある場合も少なくないのですし。

広告やマーケティングに関わる方だけではなく、IT・コンサル業界の方々も理解しておくべき内容だと思います。

リンク:広告ビジネス次の10年


広告ビジネス次の10年

広告ビジネス次の10年

「世界のエリートはなぜ、この基本を大事にするのか?」

社会人になり丸8年が経ちました。
社会人一年目当時の緊張感や教わった基本が、少し薄れていないかな…という思いは、誰しも感じる頃ではないでしょうか。僕の場合は転職もしていますが、新しい会社でも4年目に入り、少し慣れてきており基本を思い返すには良い時期だと思い、手に取りました。

筆者の戸塚さんは、ゴールドマン・サックス、HBS、マッキンゼーと、まさにハイキャリア人材のお手本のようなキャリアを歩んできた方です。その中で、見聞きした、または感じた「できる人たちの共通点」をまとめてくれています。

僕自身が具体的に、見直したり、新たに取り込もうと思ったことが5つあります。

  • 身だしなみを整える ⇒靴を手入れすること
  • 依頼された仕事は5分だけやってみる ⇒無意識だったので、意識的にする
  • 人の名前をすぐに覚える ⇒これも意識的に強化
  • 常にホワイトボードの近くに座る ⇒実践したい
  • 朝時間の活用と1日のクロージング ⇒Todoの整理などが雑になっていたので気をつけたい


他に、人脈構築に時間を割くだとか、メールレスポンスなど確かに重要と思える事項がいくつかありましたが、幸い実践できているものでした。
こう言ってはなんですが、全部を一定のレベルで実践できているビジネスマンは、日本企業には正直少ない。これらを実践するだけで、相当なアドバンテージにはなるので、特に20代後半から30代前半の中心となる若手リーダーは実践していけると良いと思いました。

リンク:世界のエリートはなぜ、この基本を大事にするのか?

クリエイティブになれない環境

日経Bizアカデミーの森内さんコラムを拝見し、自分の環境と照らし合わせながら、徒然に。

◆クリエイティビティを阻害する環境とは?
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20140110/379656/?ST=career&P=1

クリエイティブになれないマネジメント環境とは

(1)上司が支配的でいつも怒っている
(2)上司のマネジメントが「ぬるすぎる」
(3)上司が部下の自信を喪失させる
(4)上司がアイデアを横取りする
(5)上司がアイデアを評価しない、またはできない

昨年はちょうど、クリエイティブになれない環境とならざるを得ない環境の両面を体験しており、頷くところがとても多かったです。自分自身がリーダーとしてマネジメントする際には、重々気をつけたいと思っています。

周りにクリエイティブな人がいない環境

やはり人間は周りの環境に大きく左右されるもの。自分の置かれている環境への感度は、常に高く保つ必要がありますね。現代では、webもあるので様々な思考に触れる機会を増やすこともできそうです。
また、時間を惜しまず、そういう人を探し出して何とか接触を持つ、という示唆についても同意。今年の重点分野の一つ。

ずっと同じ環境にいることの問題点

プロジェクトベースで仕事をしてきたことは、思考の硬直化を防ぐことに役立っていましたね。
2年も3年も同じ環境にいると、どうしても思考のフレームワークが周りの組織に影響を受けることがあるので。
そういえば、我が家もここ3年で3回引越しています。これは色々と事情もあったので、必ずしも狙ってやっているわけではないのですが、また次のタイミングを見つけて移動はしていくんだろうな、と。

総括

作業・生活環境が自身の創造性や発想に与える影響を、改めて大きいものと認識しました。
一方で、意図的に好ましくない状況を打破していくことも含めて、自分自身の努力や工夫を怠ってはいけない。上記のような環境制約を盾に「だから、創造的なことができない」というニュアンスの話を聞くこともありますが、そういう心持ちではいけませんね。